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もりぐちジャーナル 平成23年9月号

 

 語学、音楽、スポーツ、伝統芸能、美術・・・・

 子供の好みや適性をもとに、子供が小さな頃から習い事をさせる親が増えてきています。

 子供も習い事に熱中し、コンクールや大会などで優勝するようになることもあるでしょう。そして、子供が中学、高校、大学と進学していく際に、習い事もずっと継続していくこともあると思います。 

 子供のために頑張って働いて教育費を捻出し、ようやく大学を卒業するというときになって、習い事の分野でプロになりたい!と子供が突然に言い出しました。

 子供は、習い事の分野で身を立てるのが子供のころからの夢だった、夢の実現のためにアメリカに留学したい、プロになって稼げるようになるまでは援助をしてほしい、と熱い気持ちとともに援助を懇願されたとき、あなたならどうしますか? 


 

 この答えは、家の収入や資産状況、子供への援助期間や援助額といった具体的な内容に応じて変わってくるでしょう。

 しかしながら、具体的な内容如何にかかわらず、多少は無理をしても子供の夢に協力しようと考える親が多いのではないでしょうか。 

 アメリカに留学してプロになりたいというのはやや極端な事例かもしれませんが、希望の職業に就くために必要な資格や技能を取得したいので学習の費用を援助してほしい、とお願いされるのはそれほど珍しいケースではないと思われます。 

 「子供の教育費は聖域」とよく耳にします。どんなに苦しくても、たとえ借金をしてでも子供の教育費は捻出する親が多いために、このように言われるようになったのでしょう。

 そして、子供から夢のためにと援助を求められれば、その援助も「聖域」となって何が何でもお金を工面してくる親は少なくないと思われます。 


 

 子供への援助の際によく考える必要があるのは、その援助には具体的にいくらかかるのか?ということです。

 資格口座を受講するための数十万の援助なのか、それとも数年間の生活費も含めた数百万の援助なのか、もしくはそれ以上の援助を求めてきているのか。

 一口に援助といっても、援助の金額に応じて親の負担も変わってきます。 

 親の貯金を切り崩したり、親が娯楽を我慢して子供への援助ができるのであれば、日々の家計への影響はあまりないでしょう。ですが、金融機関からの借入れといった借金によって援助をしていくとなれば、援助をするかどうかの判断は慎重にしなければなりません。 

 銀行やカード会社などから借入れをするということは、月々に一定額を返済していかなければならなくなります。子供の夢のためだからできる限り協力しようという気持ちがあっても、家計から見て返済額が大きい場合には数ヵ月後や数年後に返済資金の工面に行き詰る可能性があります。

  子供の夢のために親も一緒になって頑張ろうとしても、親が返済に行き詰まると子供への援助も行き詰まることになり、結局は子供が途中で夢の実現をあきらめなければならないという結末に終わってしまうかもしれません。

 また、無事に子供が夢をかなえたとしても、援助をした親には巨額の借金が残されたままということもあるかもしれません。

  夢の実現へ向けて頑張りたいという子供の気持ちは尊重すべきだと思います。しかし、親には親の生活があり、子供の夢が実現するしないにかかわらず、親は生活を続けていかなければなりません。

 子供から援助を求められたときには、援助をすることでこれからの自分たちの生活を問題なく続けていくことができるのかどうか、この点をきちんと検討したうえで、子供に対して回答をしていくべきです。


 

 そうは言いましても、子供に頼まれて断れなかった、当初の予定よりも援助期間が延びてしまった、等など、様々な理由によって借入れ額が膨らんだり、借入先が増えていったりして多重債務の状態となり、返済に苦労されることもあると思います。

  もし万が一、そのような事態になってしまった場合には、一度、当事務所の司法書士にまでご相談下さい。

 債権者と返済条件の交渉をして返済方法を見直したり、もしくは住宅ローン以外の借入れを圧縮して返済していく(個人再生)方法など、多重債務状態から抜け出す道を一緒に考えていきます。

  借金の問題の解決には早期の対応が肝要です。まずは当事務所までお気軽にご相談ください。

 

 守口司法書士事務所 

  電話 06-6996-1223

 

2011-10-07 16:37:19 | RSS