○遺言書が出てきたら
先日ですが、ある方のご相談をお受けしていた際にふとその方がおっしゃったのですが、「亡くなった母の遺言書が出てきたので、法事で親族が集まったときに、みんなの前で開封しようと思うんです。」とのことでした。
お母様が自筆証書遺言を残されていて、それが見つかったという場面ですね。
その方はたいへん聡明な方で、その場で開封されたりはせず、関係者が一堂に会する場所で開封しようと考えておられました。
ドラマなどでも、相続人一同が集まって遺言書を開封し、その内容に驚愕してそこから骨肉の争いが始まる・・・なんてものもあったように思いますので、見つけた遺言書を開封することは、都合の悪いことではないというのが一般的な見解でしょうか。
ですが、自筆証書遺言が出てきた場合、法律上は、開封してはいけないのですね(公正証書遺言は別です。)。
遺言者がお亡くなりになった地を管轄する家庭裁判所に、自筆証書遺言書を開封せずにそのまま持って行って、遺言書検認の申立てをしなければなりません(初めから封がされていない場合も、そのまま持って行ってください。)。
そして、裁判所において、相続人立会いの下に遺言書を開封することになります。
不動産の相続登記や、各金融機関での手続き(相続預金の払い戻しなど)は、遺言書の検認を受けてから、行ってくださいね。
ちなみに、遺言書を開封してしまったからといって、相続権を失ったりはしませんのでご安心を。相続権を失うのは、遺言書を(相続人が不当な利益を得る目的で)破棄したり、隠したりした場合です。なお、封をしてある遺言書を開封してしまった場合、5万円以下の過料に処せられることもありますのでご注意ください。
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