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もりぐち便り~守口市駅前のいち司法書士のつぶやき~

○認知症患者の鉄道事故訴訟

 今日は朝方は寒いと感じたのですが、昼頃の陽射しは暖かです。

 今朝は今春初めて、ウグイスが鳴くのを聞きました。

 一昨年までは、春といえば花粉症で、憂鬱な時期だったのですが、去年からは何ともなくなりました。花粉症は突然治る、というのは都市伝説かと思っていたのですが、少なくとも私に関しては事実の様です。

 

 先日、認知症患者が徘徊中に線路に立ち入り、列車にはねられて死亡した事故について、家族の監督責任を問い賠償請求をした裁判で、最高裁の判決が出ました。

 家族の監督責任を認めた高裁の判決とは違って、家族の監督責任自体を認めなかった内容でしたね。

 個人的には、亡くなられたご本人には一定の資産があり、自宅介護以外に施設入所という選択肢もあった、という点もあって、監督責任は有と判断されるのかな、なんて考えていました。また、徘徊は以前から何度かあったということもあって、監督義務を怠らなかったと判断されればいいな、と思っていました。

 今回は家族が監督責任を負わない、という結論になり良かったと思う反面、ではいったい誰が責任を負うのか、相手方だけが泣き寝入りをするというのはあまりに不公平、とも感覚的には感じます(しかも今回は損害を与えた側には資産があるとのことなので、法的にというより道義的に、と言った感じでしょうか。資産の有無で結論が変わるのもおかしな話ではありますが)。

 これが金銭的損害ではなく人身であったら、この判決の内容は市民感覚としてはなかなか受け入れられないと思います。認知症患者の方たちが加害者となったとき、その被害者は誰からも損害を賠償してもらえないとなると、認知症患者の方々に対する偏見を助長することに繋がらないかと、危惧したりもします。(最高裁判決では、家族が責任を負う場合もある、という結論ですが。)

 成年後見人等をさせていただいていることもあり、興味深い判決でした。


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2016-03-03 17:21:58 | RSS