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もりぐち便り～守口市駅前のいち司法書士のつぶやき～
○保護者制度の廃止～精神保健福祉法の改正
平成２６年４月に、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律が一部改正され、保護者制度が廃止されます。精神障がい者の保護者には、成年後見人・保佐人、配偶者、親権者、民法上の扶養義務者が、この順でなっていました（該当者がいなければ市町村長がなる、という補完的制度もあります）。保護者には精神障がい者に治療を受けさせる義務や、財産上の利益を保護する義務を負っており、中でも一番大きな負担であったのは、精神障がい者本人の同意によらない入院（医療保護入院）の同意権者であったということでした。
医療上入院が必要であるが本人が入院に同意しない（できない）場合に、保護者の同意をもって入院するというものでしたが、のちに本人から恨まれたり、等とその負担の大きさは以前から指摘されていました。
このたび、保護者制度の廃止に伴い、医療保護入院の同意権者に保護者というのがなくなりこれに代わって、配偶者、親権者、扶養義務者、後見人・保佐人のうちいずれかの同意、ということになりました。この中に優先順位はありません。
このことにより、誰か一人に重責を押し付けるという構図はなくなりましたが、逆に、誰か一人でも入院に同意すれば、本人の意思に反する入院をさせることができてしまうことになりかねないようにも思います。
また、退院後生活環境相談員という機関を設置し、地域援助事業者が本人と家族に関与し相談を受ける等することで、本人の退院後の生活と本人を受け入れる家族との支援を続けるということですが、これはぜひ実現し具体的成果を上げることを期待したいと思います。退院してきた本人を精神的にも経済的にも支え続けることを、事実上、家族のみに押し付けていたともいえる状態が、なんとか改善して欲しいと思います。
それとは別に、本人に病識がなく、もしかしたら家族も病気を認識できていないという、未だ医療に繋がっていない案件をどう医療につなげていくかという問題もあります。
ただし、保護者一人に多大な義務を負わせ、または家族だけで支えていたものを、地域で支えるという方向に少しずつでも向かっているのは確かではないでしょうか。
私も、成年後見業務をしている関係で、現在２名の方の第一順位の保護者となっています。その業務の中で係わっている地域活動支援センターの方々の尽力には、いつも頭が下がる思いです。こんな方々に係わってもらうことができたら、本人や家族にとってどれだけの助けになるだろうといつも思っています。
私たち司法書士も、成年後見人等として係わることで、今までは保護者が担っていた本人の財産上の利益を保護する義務を代わりに担うことができるのはもちろんのこと、精神障がい者の権利擁護という観点からも、本人及びその家族を支える地域の一員として、その一端を担っていけるのではないでしょうか。
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